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時は2XXX年。
世界は姿を変え、砂漠の砂埃が舞う。空は灰色だ。
数年前までの車の音や賑やかな音楽、人々の笑い声は消え、聞こえてくるものは爆音、銃声、そして悲鳴。
単調な世界に映えるものは、戦いに敗れた者や巻き添えになった者の
真っ赤な鮮血だけ
世界は汚い
廃れた色々な残骸に埋もれるように、所々汚れている白い大きな建物が残っている。きぃきぃと錆びた音をたてて風に揺れている看板には、
『総合中央研究所』
と書かれていた。そして人だかり。
「夭さん!ウチに兵器を!」
「いやウチに!もっとあるんだろう性能のいいやつが!!」
「馬鹿言うな!ウチが先だ!」
各々が夭(ヨウ)という人物を求め、そして兵器を、と叫ぶ。一人の青年が中から出てきた。
「!秦さんじゃないか!」
「夭さんはいるんだろう!?」
無表情の秦(シン)と呼ばれた男は右手に何かを持っていた。そして親指でそのスイッチを押す。
するとその瞬間、人だかりは一気に消えた。彼らの足元にはぱかっと穴が開いて、下へ落とされていた。
「静かにして下さい。右手の地下通路からお帰り下さい。」
門前払いを受けて彼らは帰って行った。
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