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「凜!」
「あぁっ……!」
戦地が近すぎる。爆音が大きく、揺れが激しい。凜の担当の装置は、エネルギーONだった。ガラスケースの中の青白い液体が減っていく。
「まずい!どうする夭!!」
「仕方ない……っ強制起動だ!続けよう!秦君次の作動を」
言われた通り、秦は手元のスイッチを押し、力任せにレバーを下げた。カラフルなチューブが外されていく。少女の足元に散らばった。
そして紅がまたスイッチを切り替え別の電源を入れ、データのインストールを始める。忙しく指を動かす。
周りの隊員がはらはらと見守る。
『インストール完了』
液体がすべて消えた。
「間に合った……!」
「夭やばい!こっち上がる……っ」
声をかけたのは旋だった。旋の手元のレバーが上がろうとしている。必死にそれを食い止めようとしたが、
「全員離れろ!!!!」
馬鹿でかい爆音と、眩しい光があたりを満たした。
ガラスケースの破片が舞う。
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