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爆発は一瞬だった。
「全員無事か!?」
おさまった爆風の後に夭が立ち上がって辺りを見回す。煙で視界が悪い。火災時の装置がやっと作動し、頭上から大量の水が降ってきた。
「無事です!」
数人の声がした。そちらを振り向くが、そこにはまた別のものがいた。
「……零……」
真っ白の肌に真っ白の髪。真っ黒の瞳。そしてまた真っ白の服装。一瞬その姿に目を奪われた。
少女の口が開く
「夭、ですか?」
「……あ、あぁ……」
その日、
人型兵器
零の起動が成功した
「そこの無愛想な子が秦君で、短髪茶髪が旋君。眼鏡さんは紅君でちっちゃいのが凜君だよ!」
「ちっちゃいって何ですか!コンプレックスなのにっ」
「分かりました」
不貞腐れた凜をよそに、零は全員のデータと顔を一致させた。彼女は完璧な『機械』だった。
「これから、宜しく頼むよ零」
「はい、了解しました」
零は、
完璧な『兵器』だった
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