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―公園に行こうかな。
軽いスニーカーを履いた足で、雛ははねるように歩く。
人気のない裏路地を抜けて、暗い商店街を抜けて、ちょっとこわい真っ暗な接骨院の横を抜けて、バス通りにでて、また暗い路地へ。
時刻は深夜3時近くを指している。
どんどん歩く。
ウェーブのかかった、栗色に近い肩につかないほどの長さの髪を揺らしながら。
煙草をくわえて、大きめの黒いパーカーのポケットに両手をつっこんで、細身のパンツに包まれた自分の足と、その先にあるスニーカーを履いた自分の爪先を見つめる。
自分の足が、自分の意識とは別のところで勝手に動いている生き物のように見える。
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