1158人が本棚に入れています
本棚に追加
「ま、そんな驚くようなところでもなかっただろう?」
「……いや、びびりまくりなんだけど」
内装はシンプル。
入り口近くの空間は巨大な円形の広間になっていて、その中心には見たこともない形をした銅像が置かれていた。
更にその広間からは4つの通路が東西南北に伸びている。
ミリアがその中から北側の通路に向かって歩き出したので、俺もそれに倣うようにして彼女の後を歩く。
一本のやや広めの通路。
その左右の壁には一定間隔で扉が取り付けられていた。
広間に比べると人通りは少ないが、それでもやはり人口密度は高い。
白服の研究員らしき人物もちらほら見かけたが、その殆どはかつてミリアを追っていたS・A・Dの戦闘集団、黒服だった。
「まあ、黒服は確かに戦闘がメインの仕事だが、その他が無能と言うわけではないからな。施設内でもそれなりに、その人手と能力を生かしてS・A・Dに貢献している」
「ふうん」
俺も仮にこのS・A・Dに入るのだとしたら、やはり黒服の一人になるのだろうか。なるのだろうな。きっと。
最初のコメントを投稿しよう!