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ピピピッ、ピピピッ…
携帯電話のアラームで目が覚めて、いつもと同じ朝が動き出す
…筈だったのに
まだいやがる、あの天使…
どうしちまったんだ、俺の頭は…
毎日毎日、同じ日々で本当におかしくなったのか?
『………。』
「…おはよう」
また幻覚相手に挨拶をしてしまった…
目が合ってしまったのだから仕方ないのだろう
「はあ…」
ため息が出た
しばらくは宙を見つめていた
その間も天使は、こちらを見つめているだけだった
『…バイト休むか』
こんな状態で働いてたら、ますます頭がおかしくなっちまう
バイト先のコンビニに電話して『今日は休みます』と伝えた
『さて…』
どこに行こうか
このまま天使のいる家に居る訳にはいかない
かといって、無駄遣い出来る程の余裕は無い
『…そうだ』
海渡麻里に芝居のチケットを貰ったのを思いだした
『…気晴らしでも行ってくるか』
会場は、家から遠くはない
チケットがあるので、金もかからず、気分転換には良いかもしれない
見に行かなかったら、後々海渡麻里がうるさいし…
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