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ホッとため息が零れた
悪い人ではないのだが、どうも苦手だ
貰ったチケットをポケットにしまい、商品棚の整理などをする。
「いらっしゃいませ」
「ありがとうございました」
ありふれすぎた台詞を何百回も繰り返したところで、バイトの上がる時間になった
服を着替え、おにぎり等をそこで買った
「お疲れ様でした」
いつもと同じ台詞でコンビニから出ていく
そしてチャリンコに跨がり、帰り道を急いだ
特に用事といった訳ではないのだが、今日は金曜ロードショーで『風の谷のナウシカ』をやるので、見逃す訳にはいかない
チャリンコをこぎながら、いつもと同じ風景を通り過ぎる
常連客で賑わう居酒屋 塾帰りで単語帳を見ながら帰る中学生 大きな犬三匹連れて、散歩するおばちゃん…
飽き飽きする位、代わり映えの無い風景を通って、俺は家に辿り着いた
…あれ?
違和感が有った
初めは何か分からなかったが、すぐに違和感の原因が判明した
いつもは真っ暗のはずの俺の部屋に明かりが灯っていたのだ
それは金色の綺麗な光だった
…部屋の電気ではないし、テレビを消し忘れたか?
そう思いながら俺は家の中へはいっていった
そこには天使がいた
白く大きな翼、黄金のわっかと日本人離れした顔立ち、金髪、青い目…
突然、奇妙な事が起きているのに俺の脳みそは、いたって冷静だった
…天使がここにいる
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