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海渡麻里はバイト中でも、しょっちゅう悪戯をしてくる
…特に俺に対して
1番最悪だったのは、ロッカーに入れてある俺の制服のズボンに猫のしっぽをつけやがった事だ
制服と同じ色のしっぽを付けられたので、子供のお客に言われるまでの3時間、気付かずそのままだった
彼女に、それを突き付けると
「やはり子供は純粋だな、思った事を素直に伝えてくれる」
「いや、俺が言いたいのは、何故こんな事をしたのかで…」
「今日は2月22日、ニャンニャンニャンで猫の日だからな」
「…もういいです」
彼女のやる悪戯に特に悪意は無い
自分の劇団の脚本を書くのに必要なインスピレーションを得るために、悪戯をするのだ
ちなみに猫しっぽ事件で、得たインスピレーションで書かれた作品の芝居招待され、見に行った事がある
タイトルは『バージンロードは血染めの赤~ウェディングドレスは死を求める~』と言う、なんか金持ちの花嫁候補が無人島で互いに殺し合い花嫁の座を奪い合うといった、殺伐とした内容だった
『猫しっぽ関係ないじゃん!』
と舞台が終わりカーテンコールの最中にツッコミを入れてしまった
『…まあ、確かに面白かったが』
最近は特に悪戯をされてないなあ、と思っていたが、家にまで来るのか…
もう心休まる空間はないのか…
俺は深いため息をついた
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