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真也は目を疑った。
そこには信じられない光景が広がっていた。
一人の男と一人の女。
双方が血だらけになっている。
女は地に倒れ、腹部から血が滲み出ている。
月光だけで血が流れ出るのがわかる。
微妙な斜面になっている床を血は少しずつ流れ始める。
月光を反射し、どす黒く不気味に光る血はゆっくりと真也のほうへ向かってくる。
真也には男がその血を見て不適な笑みを浮かべているように見えた。
ホロ酔い状態であった真也にもこの状況は理解できた。
──殺人だ……
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