第1章:狂い始めた人生

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110番通報の一分後、小高は車に乗り込んだ。向かう先は先月倒産し、社長家族が死んで使わなくなった小さな工場。   シャッターは開けっ放しになり、もちろん鍵もかかっていない。   その工場で血を流した若い女性が倒れているという。     「またかよ」     小高は運転をしながら呟いた。     「また とは?」     隣に座るのは先週から刑事部に配属になった新人・若塚だ。     「お前、テレビを見ないのか」     「ええ。俺はもっぱら漫画っすね」     小高は呆れたように若塚へ事件の説明を始めた。
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