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「…教団にもあんな強い奴が居たのか…?俺もまだまだだな…」
恐怖で動揺した心を落ち着かせる為、一度瞳を閉じ、心を落ち着かせる。目を開いた時、その深紅の瞳に迷いは無かった。
「…白髪の男がいない今なら…あの赤髪の男と一対一で戦える」
瓦礫の山から立ち上がり、刀を鞘から抜き、赤髪の男がいる方に走る。
走ると言うより、飛ぶと言った方が正しいかも知れない。風を切り、常人では肉眼で確認するのも困難なスピードで、赤髪の男に接近するカイト。
ソーディアン人特有の超身体能力はハーフであるカイトにも色濃く受け継がれており、並大抵の魔法使いでは勝負に成らないだろう。
並大抵ならば……。
「あ~まだ生き残りが居たのか~?」
高速で接近し、刀で切り付けようとするカイトに対し、馬鹿にしたような笑みを浮かべ、手に持った鞭を刀に巻き付ける赤髪の男。
刀を掴んだまま、勢いを利用し、カイトを背後の瓦礫の山に叩き付ける。
「…ちっ…油断した」
衝撃でボロボロと崩れる瓦礫の山。口から血を吐き捨て、立ち上がるカイト。
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