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「…さすがに俺もいらついた。本気で消してやるぜ…大陸剣技七ノ型"劫火"」
刀を構え、一気にキメラの足から肩にかけて切り裂き、跳ぶ。飛び散る鮮血と同時に切り口から発火する。
「ぎゃぁぁぁぁあー」
堪らず、雄叫びをあげるキメラだが、カイトの攻撃は終わらない。
「慌てるなよ…確実に殺してやるからよ…大陸剣技三ノ型"月下"」
空中で刀を下に向け、重量に従い、高速でキメラを頭の黒い魔法陣諸とも貫く。キメラは断末魔の叫びをあげる事なく息絶え、灰となった。
灰の山から刀を拾い、縛られた女の縄を切り、フラフラとした足どりで広場を後にしようとしたが、大量出血の為か、その場でカイトは倒れた。
瓦礫の山の上から白髪の男が眺めている事などに気付く事もなく。
「…俺と同じ封魔の武器か…だが弱いな」
そう言い残し、白髪の男は、姿を消した。
後々まで争い続ける事になった二人の剣士の出会いは、偶然だったのか…それとも未だ謎大き"封魔"の武器による必然だったのか…それはまだ誰も分からない。
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