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身体を真っ二つに切り裂かれ、左右に崩れるサンドワームだった亡きがら。断面から噴き出す血は少年を赤く染めた。
「くっ…まだ傷が痛む…あの日から十日以上も立っているのに…」
少年は倒れる様に崩れ、膝から砂漠についた。熱が溜まり高温となっている砂。少年が身体を包んでいる黒いマントでは更に体感温度は上がっているだろう。
「短期間で君は随分強くなったね」
倒れている少年の背後から聞こえる女の声。その声を聞いた途端表情を強張らせ、痛む身体で無理矢理立ち上がろうとする少年。
「レン=アイシス…何故ここにいる…」
「何故?…君がここに居るからじゃ駄目かい?」
少年の問い掛けを笑顔で返す少女。水色の髪は肩に掛かっており、瞳も同じく水色。顔は誰もが美人と思う程。スタイルも良く、容姿端麗と言う言葉の通りの外見。真っ黒な軍服のような服を着ている。
「馬鹿に…してるのか?俺はレン…相手がお前でも殺すぞ」
睨み付け刀をレンに突き付けながらカイトは話す。
「怖いね…ふふっでも私は君より遥かに強い。自惚れるなよカイト=ロンド」
レンは自分の眼前に迫る刀には興味が無いように薄ら笑いを浮かべている。
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