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(う、うさぎ耳?コスプレの類いか?いやいや、コ○パとかコ○ケじゃあるまいしこんな街中で……?)   パニックになった平塚はそんなことを考えながら目の前のうさぎ耳少女を上から下まで何度も確認するように眺めていた。   「あ、あの………?」   恥ずかしそうに身をくねらせるうさぎ耳少女を見て、平塚は自分が随分危ない目で少女を見ていたことに気が付いた。   「あ、あぁすまん!いや、別に変な意味やなくて、その……!!」   余計怪しく見えるくらいに慌てながら弁解する平塚に、少女は一歩離れた所から声を掛けた。   「あの……私は気にしてませんから……!!」   気にしてないなら何故一歩離れた所に居るのか、と平塚は思ったが口には出さなかった。   「…ふぅ……で、俺になんか用かな?」   「あ、えっと……」   何やら言い辛そうにしている少女の頭上では、まるで少女の心中を表すかのようにうさぎ耳が垂れ下がり気味になっていた。   (って「なっていた」じゃねぇよ!?え、何あれ?本物なん!?)   一時はなんとか落ち着いた平塚だが、再び衝撃的な物を見てしまった為にパニックに陥っていた。   「あ、あの……聞いてますか……?」   (はっ!?そういえばこの少女……うどんげに似ているっ!?つまりこの少女は……!!)   「すいません…あの……?」   (うどんげのコスプレをしているーーっ!?それも凄まじいクオリティだーっ!!こんな美少女がうどんげのコスプレとは……日本!\(^o^)/ハジマタ)   パニックのあまり思考がおかしな方向に向かっている平塚と、無言だが表情が一昔前の漫画のように劇画チックになっている平塚を不審そうに見つめるうさぎ耳少女。 今、かつては幼子達の笑顔で溢れていたであろう公園は、不審者とうさぎ耳を付けた美少女という二人の異端により、現実から離れた異質な空間へと変貌を遂げていたのだった。             「私の話を聞いてくださーい……」   そして少女の言葉は夏の陽射しに虚しく溶けていった。
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