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──数日後、奈美は不登校で休んでいた学校に行った…
「日塔さん、来ましたか…ここ最近、不登校でしたね…」
「ぁ…せ、先生…」
奈美は望の顔を見るなり、目を伏せた…
「どうしたんですか?」
「い、いえッ…何でも…」
奈美の様子がおかしいことに気がついた望は言った…
「何があったのか知りませんが、あなただけは“普通”でいてくださいね…」
「ッ!!」
ズキッ…
「ふ、普通って…いうな…私は…もう、普通なんかじゃ…」
奈美は望の言葉に耐え切れず、その場から走り去った…
『言えないッ!言えないよ!私が感染したことなんて…先生に言えるわけがないッ!』
「──日塔さん!どうしたんですかッ!様子がおかしいですよッ!って…!」
「来ないで先生!!」
奈美は屋上のフェンスをよじ登ろうとしていた…
「何をしているんですかッ!」
「もう…私、死にます…」
ガタガタガタ…
奈美はフェンスの上で足を震わせていた…
「ま、待ちなさいッ!」
「死にたいの…ごめん、先生…ずっと好きでした…さよなら──」
ガシッ!
飛び降りようとした奈美を間一髪のところで取り押さえた望…
どさっ…
「なんで…?なんで止めるの…?先生の馬鹿…!死なせてよ!」
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