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「ここは私が目がつけていた自殺場所の一つですよ!?管理が強化されたらどうするんですかッ!」
相変わらずの望の様子に奈美は自然と涙がこぼれた…
「ぐすっ…死ぬ気ないくせに…!ひぐっ…うぅ──」
ぎゅっ…
奈美は望の胸の中で泣いた…
「ひ、日塔さん?あの…」
「うぅ…!ごめん先生…ぐすっ…ごめんなさい…」
今までに見たことのない奈美に望は戸惑った…
「一体、どうしたんですか…?」
「私…ひぐっ…もう、普通じゃ…なくなっちゃったんです…」
「普通ではなくなった?」
ますます困惑する望だったが…
「何をおっしゃいますか…今、私の目の前にいるのは日塔さんではありませんか…」
「ぇ…」
「あなた以外、誰がいるっていうんですか?」
「で、でも…私──」
奈美は思い切って望に今までの出来事を告白した…
「──えっ…そ、そうだったんですか…?」
「はぃ…」
「そういう話は私ではなく、専門的な方に…夜回り先生とか…」
「引きますよね…先生…こんな私なんて…」
「日塔さん…」
「だから、いっそこと…死んじゃおうかなって思って…私なんか生きてても──」
すると望は奈美の手を取り、真剣な顔で言った…
「いいでしょう、そこまで言うのなら心中しましょう!」
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