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ガシャ…
望と奈美は手を握り合い、フェンスの上に立っていた…
「先生、私…本気ですよ…?」
「私も本気です…心中する相手が日塔さんになるとは思っていませんでしたけど…」
「どういう意味ですか?」
「私は、私が心に決めた女性としか心中はしないと決めていましたから…要するに──」
ヒョオオォォ…
「──え?先生、本当ですか…?私のこと…」
「最期くらい、愛の告白をしても罰は当たらないかと…」
「先生…///」
望と奈美は首にロープを巻いていた…このまま飛び降り、首を吊り、心中しようというのだ…
「せーの、で逝きますよ?」
「はい、先生…」
ぎゅっ…
奈美が望の手をしっかり握ると望も握り返してあげた…
「「…せーのッ──」」
タンッ…
空中に飛び立つ二人、目の前の景色が一気に過ぎ去っていく…
『本当に死ぬんだ、私たち…せっかく先生の気持ちが聞けたのに…ちょっと悔しい──』
ヒュウウゥ…ビシィッ!
「うごッ!!」
望の声が聞こえ、奈美は閉じていた目を開けた…
「へ?せ、先生…!」
ぶら~ん…
望のロープだけが短すぎたため、先に望の首が絞まり、奈美は手を繋いでいるだけの状態だった…
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