150人が本棚に入れています
本棚に追加
「し、死んだら…どうするッ…」
望は日頃から首を鍛えているので死ぬことはなかったが、自分と奈美の体重がかかっているため、絞りだすような声になっていた…
「先生ッ…手を放してください!このままじゃ先生が先にッ…」
望は決して奈美の手を放そうとはしなかった…
「死んだらッ…どうするッ…」
「やっぱり死にたくなったんじゃないですかッ…!」
「違いますッ…あなたに聞いているんですよ…ッ…」
「え…?」
「私はッ…あなたをッ…先にッ…失いたくはッ…ありませんよッ!だから絶対、放しません!!」
このまま望が手を放せば、確実に奈美が死んでしまう…望は自分だけが生き延びてしまうと悟っていたのだ…
「先生…!」
「私はッ…日塔さんと一緒にッ…いれればそれでッ!」
タンッ!
望は壁を蹴り、その反動で空いている教室の窓に体当たりした…
ガシャンッ!ドサッ!
二人は窓ガラスを破り、そのまま教室の中へと入り込んだ…
「痛たた…ゲホッ!映画さながらのことをしてしまいましたね…」
「無茶しすぎですよ…」
幸い奈美はかすり傷程度で済んだが、望の腕からは血が出ていた…
「先生!血!いっぱい出てるじゃないですかッ…」
最初のコメントを投稿しよう!