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夕日に頬を染め歩く二人。
二人の間は無言であったが心が通じてるような不思議な感覚。
繋ぐ右手の温もりが愛おしい。
が、太一は後悔もしていた。
右手職人、昨晩手を洗うのを忘れていたのである……しかも三回分……
気になりだすと止まらない。
磯の香りで中和されるかと思ったがちょっと臭いの質が違う。
臭いが彼女の鼻に届く前にどうにかしなければ……
太一は大きく息を吸い込んだ。
臭いを鼻毛でろ過し口から吐き出す。
太一は歯槽膿漏だがこの際それは無視!
これでどうにか時間は稼げるが吸い込みきれない臭いが彼女に届くかもしれない。
早く次の対策を考えなければ…
~冷し中華始めました。店主~
と張り紙がされた寂れた食堂を見つけた。
あそこで手を洗わしてもらおう。
彼女を促して食堂に入ると一人の老婆がそこにいた。
リリーフ ヅラ!
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