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「はぁ…!!はあ…はぁ…!!」
そうだな…。
俺を例えるのなら、なにが当てはまるのだろう…。
「待て、この女狸野郎!!」
何もかも食い散らかす獣か…。
それとも世界が嫌いになった小動物か…。
「来ないでよぉ~!!
あたち、何もしていないぃ!!」
「うるせぇ!!
てめぇが神である以上!殺すのが道理なんだよ!!」
まぁ……。
今はそんな事どうでもいいか…。
(……そろそろか…)
廃墟のビルの上。俺はヤニ臭くなりながら、じっと待ち続けていた。
今回の保護対象を…。
「いやぁあ!」
夜だと言うのに、下の光景がここからでもよく見える…。
茶色い服を着た少女が二人の男に追い回され、今このビルの前に追い詰められている…。
そろそろ動かないとな……。
口にくわえたタバコに火を灯し、俺は飛び降りた。
「よぉ…、神狩りども。
こんな寒い夜更けに狩とは、精が出るなぁ」
俺は迫り来るコンクリートの地面を見ながら言い、男どもの後ろに着地した。
「なんだ、てめぇ!!」
「なんだって…
神狩りを抜けたの、数ヶ月前なんだけどな…」
俺は三人に近づいた。
街頭の光が俺を照らし、目の前に大きな影を作っていった。
「お前は…!!」
「お、やっとわかったか」
俺はある程度近づき、腰につけていたリボルバーを引き抜き、男どもに突きつけた。
「んじゃ、言いたい事はわかるな?
そいつ。俺ら【レジスタンス】が預かるから、さっさと退きな」
「獲物を横取りする気か!!」
俺は思わず笑った。確かにそうにも見えるな…。
「横取りじゃないな。そいつを保護するんだよ」
そう言い、リボルバーを強く握り締め、撃鉄を起こした。そして、また一歩男どもに近づいた。
「さ、さっさと決めな。
俺は結構短気だぞ…」
重低音の声になる様に、喉を振るわせた。
この程度の奴等だった、少し脅すだけでも十分だろうな…。
「ぐっ……!!
…………引くぞ……!まともにやり合って勝てる相手じゃねぇ…!!」
暗がりで、男どもの表情は見えなかったが、きっと悔しがってただろう。
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