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「……もしもし……」
『ああ、塔哉か』
僕が自分の名前を名乗る前に、聞き覚えのある声が遮った。
「響兄ちゃん!!」
今日は撮影があるから、朝早く出掛けたはずだけど、何かあったのだろうか。
『塔哉、悪いんだけどさ。俺の机の上にある封筒をスタジオまで届けにきてくれないか?』
「え?無理だよ!!僕、今から学校に行かなきゃいけないし」
今から行っても遅刻は免れないが、流石に無断欠席はマズイだろう。
入学早々、サボるなんてありえないし。
『はぁ?お前、何言ってんの?』
電話の向こうで、響兄ちゃんがため息を吐いている。
(……え?)
僕、そんなにおかしいこと言ってないよね?
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