†ヴォイス†

6/28
前へ
/214ページ
次へ
(そうは言っても届けないわけにはいかないしなぁ) 僕は二階にある響兄ちゃんの部屋に行く。 扉を開けると、脱ぎっぱなしの服が床に散らばっていた。 (汚いなぁ) 思わず眉をしかめる。 何気に綺麗好きな戒兄ちゃんが見たら、目くじらをたてて怒りそうだよ……。 僕は床に転がっている服を一ヶ所に纏めつつ前に進む。 机の上に置いてある封筒だけ取って、ダイニングに戻る。 とりあえずパンだけでもかじろうとテーブルに近づくと、メモがあるのに気付いた。 『塔哉へ。 今日は兄ちゃん達、皆出掛けるから、留守番よろしくな。 朝食作っておくから、起きたら食べなさい。 春臣』 (マジで!?) 僕はメモを持ったまま固まった。 兄ちゃん達が居ないんじゃ、絶対スタジオなんて辿り着けないよ!!
/214ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8123人が本棚に入れています
本棚に追加