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「なんで、塔哉なんだ？」
「気に入ったんだよね、この子」
翔悟さんがニヤリと笑う。
「……でも塔哉は……」
言い返そうとした響兄ちゃんの耳に、翔悟さんが何かを耳打ちする。
（？）
一瞬にして響兄ちゃんが、険しい表情になった。
（一体、何を言われたの？兄ちゃん）
僕は妙に不安になってきた。
「始めから、そういう約束だろ？」
「だけど……」
「悪いけど、響吾には拒否権ないんだよね」
普通だったら、響兄ちゃんが一言も言い返せないなんてありえない。
翔悟さんって、マジに何者！？
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