†結城家の兄弟達†

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イラッときて、響兄ちゃんに抗議しようとした瞬間、のんびりした声が僕の声を遮った。 「今日の洗面所は、満員御礼だな」 「戒(かい)兄ちゃん!」 振り返ると、寝起きなのか、ボサボサの髪をした二番目の兄ちゃんがいた。 戒兄ちゃんと響兄ちゃんは双子で、外見はそっくりなのに、あまり見た目に気を使わないせいか全く印象が違う。 それでも普段の戒兄ちゃんは、硬派な感じで、カッコいいのだが、朝だけは低血圧で最悪な状態になっている。 余計なお世話かもしれないけど、そんなに寝ぼけた顔じゃ、百年の恋も醒めるよ、兄ちゃん。
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