†結城家の兄弟達†

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「だからこそ、あの眼鏡を塔哉にかけさせてるんだろうが」 繊細な美貌を持つ塔哉に、恐ろしく似合っていない黒ぶちの眼鏡……。 兄弟全員がその姿を思い出して、思わずため息を吐いた。 「ああ、あれね。でも俺、あの眼鏡を初めて見た時は、マジで兄貴の美的センスを疑ったけどな!」 響吾が呆れた視線を長兄に向けると、春臣は心外だとばかりに弟を睨んだ。 「重ね重ね失礼な奴だな、お前!だが仕方ないだろうが。本人にあれだけ自覚がないなら、外見を隠すしかないじゃないか」 (……確かに) 自分の容姿に対して、あれほど無自覚なのは、かなり危ないと思った兄弟達だった。
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