きみを知った、あの日

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この時間は歴史の時間。 動物界で生きてきた彼にとって、興味深い内容ばかりだった。 「ここまでで何か質問のあるやつはいるか?」 「はい。」 まだ転校してきたばかりの彼がてをあげあたので、皆驚いた表情だ。 「先生にとって、戦争とはなんですか?」 「いい質問だね。そうだなぁ。私は、どんな理由があろうとやってはいけない、二度と起こってはいけない、人間の心に潜む悪の表れだと思っているよ。」 「ありがとうございます。」 日本には原爆を落とされた経験があることを、彼は初めて知った。 彼の父親が国王になってからは、戦争は一度も起こっていない。 それは、父親本人が、戦争を経験していたから。 アシュレイの父・ウォルテスが12歳のころ、それは起こった。
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