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「皆さん、学校も今日で一時お休みとなります。
また、こうやって全員で顔を合わせられることを、先生は切に願っています。
以上で、今日は終わります。」
「起立!!さようなら」
「さようなら(合唱)」
生徒たちの体をなでる様に、不吉な風邪が窓から吹き付けた。
「ウォルト君!!」
親友のランズだ。
「戦争が終わったらまた会おう、必ず。」
彼はウォルトの目を真剣に見つめ、一言そう言うと、教室から去って行った。
ウォルトもまた、同じ気持ちでいた。
しかし、彼がなぜあんなに真剣に、そう言ったのかは、わからなかった。
ウォルトはもちろん王子ではあるが、父の教育理念で、一般の学校へと通っていた。
生徒たちには、ウォルトが王子であることは知らされていない。
だから、ウォルトは親友を持ち、幸せな学校生活を送ることが出来ていた。
今日、この日までは…
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