Last words -side G-

2/4
前へ
/31ページ
次へ
『――もしもし』 急に掛けてきた電話の主は、オレの恋人。 任務が終わったのだろうか。随分と遅いような気がした。 「なんだよ…今日、すぐ戻ってくるんじゃなかったのかよ?」 無意識に拗ねたような口調になっちまう。 ホントは、もっと素直になりたいんだけどな… 『んー…出来なくなっちまった。まだ、帰れない』 …だろうな。予想はしてた。オレだって、同じような状況だし。 「は!?ふざけんなよ!こっちがどんだけ…!」 まるで心配していたかのようにまくし立てる。でも、不自然ではない、と思う。 だってあいつ、オレが家にいると、思ってるから。 『…ホント、ごめん。終わったら、ちゃんと戻るから…』 …バカ。戻っても、オレはいないんだぜ? オレ、お前が行ってから急に任務が入ったんだよ。敵ファミリーのアジトの殲滅。 お前と同じ、成功率1%の、任務。 99%の失敗なんて、怖くなかった。ただ、早く終わらせて、武に会いたかった… でも、敵の方が一歩上手だった。それだけの話。 任務は終わらせた。致命傷を負ったものの、なんとか敵アジトの殲滅に成功した。 …会いたかった…最期に、もう一度…
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

225人が本棚に入れています
本棚に追加