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歩いて居た方向に向き直った瞬間、腕を物凄い力で掴まれ、痛みが走った。
あまりの痛みに目を見開いて悶える。
――もげる…!痛い痛いイタイ…!
「あ゙…ぁぁっ!」
「おーい、獄寺大丈夫かぁ?」
オレがどういう状態か分かっていながら、山本はからかうように尋ねてくる。
「…悪いのは、獄寺なんだよ…?」
「い、いあああっ!」
オレが何も言わないことが気に食わないのか、更に腕を締め付けてくる山本にやっとの思いで抵抗する。その力は弱々しくて、まるで自分の腕じゃ無いかのように重かった。
オレが大声を出して抵抗し始めると、山本は不機嫌そうに舌打ちして、空いている左手でオレの口を塞ぎ、空き部屋に連れ込んだ。
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