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その時の山本の表情が恐ろしくて、オレは泣きそうになりながら必死に抵抗した。
「ん、んんっ!」
「…うるさいんだけど」
掴んでいた腕をやっと離されたと分かった瞬間、がんっと物凄い音を立ててオレの頭を壁にぶつけられたのが分かった…
「…っ…」
つうっと生暖かいものが額を伝ってくるのを感じれば、くらくらとする頭を押さえ意識を保とうとするが、力が入らずかくっと膝を折って床に倒れ込んだ。
「…何、寝てんだよ」
山本はオレが気を失う事すら許さず、オレの腹を容赦無く蹴り付けた。
オレは、どうして暴力を振るわれているのか分からず、ただ
「…ごめん…なさい…」
と繰り返して横たわる事しか出来なかった…
「ごめんなさい…山本…ごめん…」
「…獄寺…」
その言葉を聞くとやっと満足したように抱き締めてくれた。優しく、優しく…壊れ物を扱うかのように…抱き締めてくれた…
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