第1話 すれ違う想い

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私があなたと出会ったのは10年前。 私はまだハタチだった。 軽く参加した飲み会で、私の隣に座ったのがあなた。 あの頃の私にとって、4つの年の差があなたをうんと大人に感じさせた。 友達に飲み会の話を持ち掛けられた時、相手の歳を聞いていたから、私は少し背伸びをしたんだ。 普段はジーンズばかり履いてカジュアルな私が、その日はタイトなスカートに、 少しだけ胸を強調するセーター。 慣れないヒール。 誘ってくれた友達に会うのも久しぶりだったから、 「大人っぽくなったね」 「短大生って感じ」 なんて言われて。 ちょっと嬉しかった。 飲み会はとても楽しくて、時間があっという間に過ぎた。 このまま帰るには、何だか物足りなくて。 私があなたを誘った。 「もう少し、一緒にいられる?」 「いいよ」 あなたは顔色ひとつ変えずにそう答えたけど、私はわかっていた。 あなたも、私と同じ気持ちでいるんでしょ?
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