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私があなたと出会ったのは10年前。
私はまだハタチだった。
軽く参加した飲み会で、私の隣に座ったのがあなた。
あの頃の私にとって、4つの年の差があなたをうんと大人に感じさせた。
友達に飲み会の話を持ち掛けられた時、相手の歳を聞いていたから、私は少し背伸びをしたんだ。
普段はジーンズばかり履いてカジュアルな私が、その日はタイトなスカートに、
少しだけ胸を強調するセーター。
慣れないヒール。
誘ってくれた友達に会うのも久しぶりだったから、
「大人っぽくなったね」
「短大生って感じ」
なんて言われて。
ちょっと嬉しかった。
飲み会はとても楽しくて、時間があっという間に過ぎた。
このまま帰るには、何だか物足りなくて。
私があなたを誘った。
「もう少し、一緒にいられる?」
「いいよ」
あなたは顔色ひとつ変えずにそう答えたけど、私はわかっていた。
あなたも、私と同じ気持ちでいるんでしょ?
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