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奴は俺をあざ笑うかのように歩いている。
心地よい緊張感に俺は包まれていた。
「クルツの出番はないかもな」
完全に奴をロックオンしている、奴の動きが止まった時が、勝負と考えていた。
だが奴は全然止まる気配がない、俺は先に勝負に出た。
走り抜ける奴に引き金を引いた。
弾は奴の体の5ミリ横にそれた。奴はさらに加速を上げた、このスピードで動かれたらさすがに撃つのは難しい。
窓のアルミ枠あたりで奴はスピードを落とした。
俺はチャンスと思いもう一度引き金を引いた。
弾は奴の足の間にあたった、次の瞬間
「痛っ!」
弾は俺に跳ね返ってきたのだ!
弾は上唇にあたった!
俺はおもわず右手を上げ
「ヒット」
と言おうとしたが唇をおさえながら奴がいたあたりを見た、が、すでに奴は姿を消していた。
「あのヤロォー!」
その日、奴の姿を見ることはなかった。
次の日、仕事から帰った俺は部屋の壁に現場から持ってかえってきたダンボールを貼り付けた、電動ガンのクルツを室内で使うためだ。
クルツのバッテリーの充電は完了している、サバゲーの時使っていたゴーグルも出し、くもり止めもぬった。
まさに俺の部屋はフィールドとなりつつあった。
そしてラストバトルがはじまる。
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