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下手に慰めるのも良くない気がして、わたしもそれ以上何も言わずに美佐に向き直る。
「好きって言ってもね…長く一緒にいすぎたせいか二人でいても本当、姉弟みたいな感覚なんだよ?姉弟っていうか、むしろ親子かもしれない」
「親子?そんなに子供っぽい子なの?」
「わたしに対する甘え方が、昔からまったく変わらないのよ。平気で抱き着いて来るし、昨日なんか一緒のベッド使いたがるし…」
「「一緒のベッド!?」」
美佐と櫻井君の声がハモる。
「櫻井君まで…何?」
「何って…そいつ、男だよな?」
「…まあ、そうだけど」
「で、それでどうしたんだ?」
わたしは答えず、眉を潜め櫻井君を見る。
先程の様子では、彼には興味の無い話だと思っていたが、妙に食いついて来る。
わたしの態度をどう取ったのか、櫻井君は顔を赤くする。
「まさか…」
「…櫻井君。貴方、何想像してるの?最低、変態、エロ~い」
「な!べ、べ、別に俺は!まだ何も言ってねーだろ!!」
動転しているのか、ますます顔は赤くなり、声は裏返っている。
「櫻井君、テンパり過ぎだから…」
美佐はそう言って、呆れたようにため息をつく。
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