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櫻井君はわたしから視線を外し、美佐を睨み返す。
「…邪魔なんだけど」
「邪魔してるのよ。わたしの事無視して、話進めないでくれる?まゆりも放けてないでしっかりしなよ!」
「あ…」
次第に凍っていた思考が溶け、次に体の奥から来るような震えに襲われる。
「あ、あのさ、櫻井君…冗談だよね?」
自分の声が震えている。
先程自分に向けられていた櫻井君の目の色に、本能的な感覚が怯えているように痺れ、身動きが出来なかった。
「挑発したのはそっちだろ?近藤はからかったつもりなんだろうけど…」
彼はわたしを威圧するように睨みつけ…
「俺の方は冗談にするつもりないから」
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