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「…あの制服、中学生かな。まゆり、知り合い?」
わたしの視線の先を見て、美佐が聞いて来た。
「多分…」
そのまま、近付いてみると…
「やっぱり…直君」
「まゆちゃん!今日学校早く終わったから来ちゃった」
こちらに気付き、走って向かって来る―
「あれが例の直君…て、まゆり、何で後退して…」
近くまで来ると、走って来たままの勢いで、体当たりするように抱き着いてくる。
「今帰り?一緒に帰ろうよ!」
いつものように、可愛い笑顔で顔を覗き込まれる。
「直君!ち、ちょっと離れて!皆見てるから!」
そう、ここは校門前。
これから下校する生徒達が、ちらちらとこちらの様子を見ている。
「?見られると、何か問題あるの?」
「恥ずかしいから!」
自分の顔が赤くなっているのが分かる。
「いやいや…公衆の面前だって言うのにラブラブだねー」
美佐は苦笑いを浮かべながらこちらを見ている。
「へー…直君ってコイツ?」
櫻井君は直君を睨みつけながら…
「どんな奴かと思ったら…小学生か」
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