557人が本棚に入れています
本棚に追加
心の奥が急速に凍りついてくような感覚に、一瞬、息をする事を忘れる。
不安と恐怖と混乱とがないまぜになったように固まり、留まり、それらが胸の中を掻き回すように暴れ回る―
「直、君…どう…して…」
どうして…
その先の言葉は出て来なかった。
わたしは一体…直君に何を聞きたいの…?
胸に感じる痛さに、思考が鈍り、声も出せなくなる。
「僕が…僕が子供だから?子供だからそうやって誤魔化すの!?」
「…っ」
強く、腕を掴まれる。
「どうして、そんな顔するんだよ!他の奴の事で…!」
辛そうで、苦しそうな表情――
どうして?
どうして、そんな表情でわたしを見るのか―
「僕の前で…そんな顔見せないでよ!」
最初のコメントを投稿しよう!