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少し先にお社が見えてきた。どうやらここは、安産祈願のお社らしい。赤い幟(のぼり)がはたはたと風に揺れている。
四畳ほどのその空間の入り口には、人がやっとくぐれる程度の鳥居が立てられ、両脇を石像のお狐様がどっしり鎮座していた。大小無数あるお社には、白いお狐様が多数置かれ蝋燭の灯りが不気味に揺れ照らしていた。お社の周りには猫1匹がやっとくぐれる程度の鳥居が沢山奉納されていた。
ふと足元に目を遣ると、黒い猫が足にまとわりついてきた。
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