あぶれた者はお狐様に縋る

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 伏見稲荷の本殿の裏の山には、延々と朱い鳥居が続いている。大きいもの、小さいもの、新しいもの、もう何百年も昔からあるような古いものなど様々な物が入り交じっている。  入り組んだ鳥居の山道の所々に願掛け別の小さなお狐様のお社が並んでいる。  平日は、スケッチをしている人、写真家風の人、外国人観光客と僅かな日本人観光客くらいしかいなく閑散としている。  気を抜いたら違う世界に迷いこんでしまいそうだ。  時々、遭難者も出てしまうそうだ。自殺や心中なんて噂も流れているくらいだ。
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