あぶれた者はお狐様に縋る
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俺は売店でラムネを買い縁台に腰掛けた。昔懐かしい栓がビー玉になっているラムネだった。 ラムネを無我夢中に渇ききった喉にごくごくと流し込んでいると、売店の老婆が話し掛けきた。 「お兄さん、こんな暑い日に一人で山登りかい?」 「ええ。ちょっと願掛けに…」 「そうかい。若い人は元気だねぇ」 人の良さそうな老婆は、にこにこした顔を急に曇らせ語り始めた。
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