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別の車内。
一人のサングラスをかけて帽子を深く被った男が車を運転しながら、前の車を凝視している。
不意に
ピロロロ ピロロロ
携帯の音が鳴る。
男は取る。
『はい』
『そっちはどうだ?片付いたか?』
『今まだ尾行してる。……感づいたか知らねぇが、さっきから明るい商店街の道ばっか走りやがる。……ま、いずれ人気のない道に来るだろうがよ。
そっちはどうだ?その男の死体始末したか?』
『……いや、まだだ。運よくまだあの車から一台も車来てねぇが、この男、死に間際に握ったメモを離さねぇんだ!
どんなに離そうとしてもな。
お前も早くそいつらを始末してこっちの処置を手伝え。』
『ああ。分かった。
……しかし災難だな、俺達も。殺した現場をそいつらに見られたんだからな。
あぁ……早く殺りてぇ!!』
『落ち着けよ。ここでやったら面倒だろ?
人気のないとこに行くまで待つんだ。
なぁに、相手はまだ大学に入ったばっかりのヒヨッこのガキに、まだ中坊ぐらいのガキだぜ?
すぐ始末できる。』
車内の男はニヤリと笑う。
『ああ……。それじゃあな、幸運を祈る。』
『おう。……おっと、また車が来やがった』
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