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そのあまりの勢いの良さに渉の顔面にガコンとドアが直撃する。
『さっきからうるさい』
『ってぇ……!そうだ!着替え!!』
あからさまに不機嫌そうな顔をする棗を押し退けると渉は急いでクローゼットを開けた。
部屋の中には棗が脱ぎ散らかした服やらなにやらで溢れかえっている。
部屋を散らかした棗はというと、昨夜は腰の辺りまであった髪は今は肩の上まで短くなっており、ワンピースに身を包んでいた体も今はダボダボのシャツにズボンという格好だ。
きっと髪はつけ毛かなにかだろう。
そういった知識はあまりないからよくわからないが。
『人の安眠妨害するなんていい度胸じゃん』
『お前は昨日散々俺の安眠を妨害しただろ!!』
しれっと言い放つ棗にクローゼットを漁りながら渉が怒鳴り散らす。
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