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「帰れっつったら帰れ!!そして気持ち悪い声を出すな!!」
ギリギリと渉がドアを押し返しながら言う。
だが負けじと棗はドアをこじ開け、その隙間から体を滑り込ませてきた。
「気持ち悪い声とは失礼ね。あたしにそんな事言って許されるとでも思ってんの?」
「許されるもなにも、お前男だろーが!!」
「今は女よ」
「そういう、問題じゃ、ねぇっ……うぎゃあっ!!??」
ついにじれた棗がドアをバカリと外す。
押さえつけてくるドアがいきなり外れてきたため渉はバコッとドアに押し倒されて潰れた。
頭に鈍い痛みがはしるがそれに気を取られている暇はない。
渉は急いでドアの下敷きになっている体を起こし、棗を睨みつけた。
「おいコラてめぇ、なにすんだ!!」
「なにって、せいけんづき?」
「アホか!!お前今すぐドア直せ!!」
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