君に降伏!―1―

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「もう大丈夫ですよ、棗さん。俺がついてますから!!」 「白石君っ……」 ――って、気付けよ白石ぃ。 か弱い乙女を演じる棗の隣で渉がモアイ像と化す。 渉は届かないと分かっていてもテレパシーを送らずにはいられなかった。 白石ちゃん。 今君が抱きしめているのは男なんだよ。 その事実をただ一人知っている渉は、白石が気の毒で涙が出そうだった。 あぁ……また一人、この男の毒牙にかかってしまった……。 その後日。 「あー……なんか一気に疲れが溜まったような気がする……」 渉は休憩所の椅子にぐったりと座り、昨夜の出来事を思い出していた。 昨日は棗の演技のおかげでなんとか誤魔化す事が出来たが、もうあんな仕打ちはこりごりだ。    
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