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(あいつも部屋から出て行った事だし、ようやく平和な日常が戻ったって訳だな)
結局棗は朝になると姿を消し、嵐のように去って行った。
清々しい太陽の光を浴びながら、渉は戻ってきた平和を満喫しようと深く息を吸った。
すると――
「今本さん!!」
バンッと休憩所のドアを勢いよく開けて白石がやって来た。
「やぁ白石ちゃん。そんなに慌ててどうしたんだい?」
騒々しい白石を見ても、今の渉はすこぶる機嫌がよかったため爽やかな笑顔で対応する。
まるで花でも散ってきそうな渉の笑顔を見て、白石はそれ以上に輝かしい顔で渉に詰め寄った。
「今本さん。あの……相談に乗ってもらいたい事があるんですけど……」
「ん?相談?」
白石の言葉に渉が笑顔を崩さないまま首を傾げる。
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