君に降伏!―1―

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「なぁにいぃぃぃぃぃいっっっ!!!!!!????」 渉の絶叫が辺り一面に響き渡る。 それを合図のように、休憩所に一斉に職場の男達が押しかけてきた。 「えっ……?なっ……いきなり何事だ!?」 いくら休憩時間と言っても、ここまで人が押し寄せてくるなんて有り得ない。 渉が恐怖にも似た感情を抱いていると、押しかけていた男達はギラついた目で渉に詰め寄ってきた。 「今本!お前、棗ちゃんの連絡先知ってるんだって!?」 「教えてくれ!!」 「俺もー!!」 男達でぎゅうぎゅうになった部屋で、渉がただ一人呆然と立ち尽くす。 (俺は夢でも見ているんだろうか……) 自慢じゃないが、ここまで大勢の人間に囲まれたのは生まれて初めてだ。 しかしあまり嬉しくないのは何故だろう。    
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