1037人が本棚に入れています
本棚に追加
/230ページ
「なぁにいぃぃぃぃぃいっっっ!!!!!!????」
渉の絶叫が辺り一面に響き渡る。
それを合図のように、休憩所に一斉に職場の男達が押しかけてきた。
「えっ……?なっ……いきなり何事だ!?」
いくら休憩時間と言っても、ここまで人が押し寄せてくるなんて有り得ない。
渉が恐怖にも似た感情を抱いていると、押しかけていた男達はギラついた目で渉に詰め寄ってきた。
「今本!お前、棗ちゃんの連絡先知ってるんだって!?」
「教えてくれ!!」
「俺もー!!」
男達でぎゅうぎゅうになった部屋で、渉がただ一人呆然と立ち尽くす。
(俺は夢でも見ているんだろうか……)
自慢じゃないが、ここまで大勢の人間に囲まれたのは生まれて初めてだ。
しかしあまり嬉しくないのは何故だろう。
最初のコメントを投稿しよう!