君に降伏!―2―

2/42
1037人が本棚に入れています
本棚に追加
/230ページ
『……さん、……今本さん』 誰かがどこかで呼ぶ声がする。 渉は気がつくと、見知らぬ真っ白な世界に立っていた。 その何もない空っぽの空間に、一人の若い女性が浮かび上がる。 『……今本さん』 『君は――…佐々岡さん?』 目の前に現れたのは渉の職場の後輩であり、微かに好意を抱いている佐々岡 美由紀。 だがどうしてこんなところに彼女がいるのだろうか。 渉が呆然と立ち尽くしていると、佐々岡は少しだけ俯きその白い頬を朱に染めた。 『今本さん。わたし……ずっと前から今本さんの事が好きでした』 『えっ……!?』 突然の告白に渉が動揺の色を見せる。 だが佐々岡は懸命にも渉の顔を見つめ、訴えるような視線を向けた。 『私じゃ、ダメですか……?』    
/230ページ

最初のコメントを投稿しよう!