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『え!?えっと……あの……っ』
渉が真っ赤になってあたふたしていると、またどこかで別の声が聞こえてきた。
『あーら。随分といいご身分ねぇ』
『なっ……お前は――棗!?』
今度は渉の後ろにダイナマイト、もとい棗が現れる。
棗は女装する時には常に装備している薄茶の長い髪をなびかせて、カツカツとハイヒールの音を鳴らしながらゆっくりとこちらへ歩いて来た。
手には何故かムチとろうそく。
そして全身黒のボンテージスーツだ。
――SM女王かお前は。
『あんたに彼女なんて100年早いのよ!!』
『は、はぁ!?なんでそんな事言われなきゃなんねぇんだよ!!』
ムチを持った手を腰に当て、棗が見下した口調で言うと、渉はそれを心外だと言うように食ってかかった。
すると今度は――
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