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『……今本さん、もしかしてその人と付き合ってるんですか?』
『えぇ!!??』
棗と佐々岡の間に挟まれて渉が身動きが取れない状況に陥る。
板挟みとはまさにこういう事を言うのだろう。
『ずっとずっと好きだったのに……』
『ち、違うんだ佐々岡さん!!こいつは――』
悲しげに涙を流す佐々岡を見て渉が口を開く。
だがその瞬間、棗が持っているムチで渉の首をむぎゅっと締め付けた。
『ぐぇっ……なづめっ……!ぐるじっ……!!』
『グダグダうるさいわね!!アンタは一生私の奴隷として働くのよ!!』
言葉通り、まるで奴隷のように渉を引きずりながら棗が女王のごとく高笑いをする。
どんどん遠ざかっていく佐々岡の姿を見て渉は必死で手を伸ばしていた。
『ちっ……違うんだ!!』
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