君に降伏!―2―

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そうケロりと答える棗。 今は仕事帰りのためか、棗は男の格好をしていた。 だがそんな事よりもツッコミ所が多すぎてどこからツッコめばいいのか分からない。 確かに棗には渉の部屋の鍵を渡していない。 それはまぁ渉が棗の『しばらく泊まる』という言葉を承諾していなかったから当然の話である。 しかしドアをこじ開けて、というか破壊して部屋に侵入して来るのはいかがなものか。 「……っつうかインターホンあるんだから鳴らせよ」 これが一番のツッコミ所だ。 渉がボソッと呟くと、棗は特に表情も変えずに『あぁ』、と一言漏らした。 「その手があったか。存在自体忘れてた」 (この忘れん坊将軍め――!!) この最大のツッコミを棗にぶつけてやりたい。 だが渉はその言葉をぐっとこらえて頭を抱えた。    
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