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「棗!!土足!!」
ドアの下でくぐもった声を出すと、棗は何も言わずに部屋へと続く廊下で適当に靴を脱ぎ捨てた。
「このやろう……!」
やっとのことでドアから抜け出すと、渉は無理やりドアを元の状態に押し込め棗を追いかけた。
そしてバンッと勢いよく自室の扉を開けると渉は火山のごとく爆発した。
「くぉらーーー!!てめぇ、今日という今日は許さーーーん!!」
「うるさいわね。近所迷惑なのよバカ」
「……………」
近所迷惑はどっちだ、という言葉を無理やり押し殺し、渉は拳を握りしめた。
「それにしても疲れたー。ねぇ渉、喉乾いた。冷蔵庫になんか入ってないの?」
「タダで水が飲めると思うなよ。飲みたきゃ自分で買って……っておい!人の家を勝ってに漁るな!!」
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